■■■■ 感想・・・思った事、感じた事(覚え書き) ■■■■
図書館からの借りモノ・・・言わずと知れた「千里眼」シリーズの第5弾。
今回は工業高校が舞台の様で、生徒が教師達を学校の外に締め出し、学校に篭城する形で「自治国家」宣言をする事態に、岬美由紀が立ち向かう、、、ってか対応する?そんな話。
--- 読み出し~前半 ---
序盤でいきなり爆弾を使用したテロ行為を画策する人物を追いかけてのド派手なアクションシーンから始まるんですが、、、どうもシックリ来ない。
今までのシリーズの流れからしても特に不思議な展開ではないんですが、文章の流れが「何て言うのかなぁ~・・・」そう、雑な印象を受ける。
例えば、名古屋の中心街から地下街を使ってのシーンも、展示されてるF1(勿論車です)に乗り込んでカーチェイス、、、美由紀は乗れると考えても、逃げる人物(病院の院長)がそんな簡単に乗りこなせる訳ないし、、、
捕まえて爆弾の在り処を聞き出して現場の高校に行く時にも、早速いつもの自衛隊の飛行機を無断で奪取しての緊急フライト、、、毎度の事過ぎて、描写に捻りが無さ過ぎな気が、、、
このシリーズを読んでて、初めてぐらいの退屈感とイライラを覚えた・・・いつもは前半から引き込まれる感じを受けるんですが、今回は停滞気味・・・
そんでもって、一気に高校の中での話に変わる。全校生徒が教師達大人を校外に締め出し篭城する。更に声明を発表し、高校を「自治国」にすると宣言する。
この高校の生徒の一人が序盤でテロを画策していた人物の息子で、彼の目線で学校内の話が展開していく。この事態に対処すべく美由紀が取る行動は、、、
ってな感じやけど、このくだりも微妙で、、、「何か緩いって云うの?」そんな感じ、、、
っとココで思い出したのが、このベースになる高校の話は最初「催眠」シリーズとして考えられてたらしく、当初の主人公は当然「嵯峨敏也」でそれを考えると、個人的にはこの話を「千里眼」シリーズに組み込んだのは失敗やったんでは無いかと思う。
描き方とかが「嵯峨」目線の方がシックリくると思うので、余計にチグハグな展開になってるかと。「千里眼」シリーズは「岬美由紀を前面に出す」展開が売りで、読者もそれを期待してると思うので(僕はそう云う目線の1人です)脇で活躍するってのは何となく違う気がする。
--- 読後 ---
さてさて、読み終わったけど「番外編」っていうか「千里眼」とは別の作品として読んだら、それなりに面白かったかなと。
旧シリーズでいうと「千里眼マジシャンの少女」のような感じかな。前半の違和感とゴチャゴチャ感は読み進める中で、自分の中で「コリャ~、別作品やなっ!」っと割り切る事でかなり解消された。篭城事件の中心になる高校の中での描写がメインに展開するので、そっちをメインに意識を持って行くと面白く最後まで読む事が出来た。
読後、やっぱり「千里眼」シリーズとしては違うな、、、ってのが正直な感想。
最後は、美由紀が活躍する事で解決するんやけどこれがまた、いつもの様に自衛隊の協力ってか、無理やり奪取?しての強攻策で辻褄合わせな感じで無理やり解決してしまうのも、最初にあんだけやりたい放題やってるのに同じ展開でラストに向かうってのが違和感ありまくりで食傷気味に感じてしまう。
読み終わってから、再度思ったんがやっぱり「催眠」シリーズとして描いた方が全体的に纏まったような気がするので残念。
事件の内容自体は面白いので、そう考えて読むと面白いかもって事で、個人的には「千里眼」シリーズとしてはイマイチな作品でした。-y( ´Д`)。oO○
【 2011/03/28 修正 】
tags : 読書 感想 図書館 おすすめ それなり 松岡圭祐