■■■■ 感想・・・思った事、感じた事(覚え書き) ■■■■
図書館からの借りモノ・・・この著者さんの作品「七回死んだ男」が面白かったので、デビュー作にあたるこの作品も読んでみようと、、、読み始めてから、初めてこの本が短編集と気付く、、、
そういや、この本もアマゾンの評判とかで調べて面白そうなんで余計に読みたくなって借りたんやけど、、、皆さんは何を基準に本を選んでらっしゃるんでしょうかねぇ~~~~、、、
関係ないけど僕は、殆どの本(文庫本の場合ですけど)を読むときに巻末にある「あとがき」&「解説」を最初の方に読む癖がある。(勿論じっくり読んでしまうと本編の内容がわかってしまう場合もあるので、サラッと目を通す感じやけど・・・)
僕はそうするコトで作品の世界観のようなものを頭に入れてから読みたい派なので、、、この辺は人によってそれぞれやろうけど、、、他の読書好きな人らはどうなんやろうか、、、
そんでもって、この著者さんの代表シリーズが「タック&タカチ」を主人公にした物らしく、その原点にもあたる作品との前知識を頭に入れて読んで見ます。実はその「タック&タカチ」シリーズをまだ一冊も読んで無いんやけどねと、、、
--- 読み出し~前半 ---
いきなり、僕の知らない主人公タックこと匠千暁が登場。短編なので話は短いですが、話が友人との雑談の中で新聞に載ってる過去の事件について会話を交わしながら、もしかしたらの可能性として、公式の事件の結末とは違うもう一つの真相の可能性を提示していく展開。
俗に云う「安楽椅子探偵」な感じ?描写からこのタックの私生活は世間離れ(就職浪人の大の酒好き)した天才肌の探偵の印象。定番な主人公っぽいけど、好きな部類で中々面白い。
っと思ったら、次の話ではまた主人公が別の人になる。巻末の解説によると、この複数の登場人物はそれぞれ知り合いであり一つの世界観の中で共存しているらしい。その辺を考えると、より楽しく想像が広がるので短編やのに一つの作品と云うかそんな感じがするので面白い。
--- 読後 ---
いやぁ~、単純に「面白かった!」タイトルにあるように全部の話の軸になるのは「解体=バラバラ」殺人事件で、中には殺人ではなくて不可解な「ぬいぐるみ」の解体の話とかもあって、予想外。どうしても、殺人があってしかも全部が「解体」されてるだけに「グロさ」の先入観が頭に残ってしまうけども、他の小説に出てくるような「陰惨」な雰囲気は無い。
多分、この著者さん独特の文章構成がそんな空気を作ってるんやと思うけど・・・
内容的にも短編集って事で、一つ一つの話は個別に進行するんやけども「何と!最後の話で全ての事件が繋がって一つの事件になる!」って云う、読む側を唸らせる展開で、ある意味驚いたってか普通に「スゲェ~、、、」って思ってしまった。
それも、最後の話の前に「戯曲形式」の話があって、何故かこれが短編集やのにかなり長くて作品の中でも唯一の中篇クラスで読んでる時は「???」と思ってたら、実はコレが「最後の話の小道具として使われる」ってな伏線になってたのには更にビックリです。
個人的に「戯曲形式」の文章はなんか読みにくいなぁ~っと思ってたから余計に「なるほど~」っと納得してしまった。つまり、タイトル通りに個別の話の内容だけでなく、この作品自体が一つの「解体作品」に仕上がってる訳で・・・ホンマに、よう出来てるなぁ~っと・・・
こんな作品がデビュー作ってのは、やっぱり才能ってのはあるんやなぁ~っと再確認。読後は、この作品の登場人物が活躍するシリーズを改めて読んでみたいと思わせる仕上がりでした。
って事で、今手元には「彼女が死んだ夜」があったりする。-y( ´Д`)。oO○
【 2011/03/25 修正 】
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