■■■■ 感想・・・思った事、感じた事(覚え書き) ■■■■
昔TVでやってた、山崎まさよしが主演してたドラマの原作・・・全然知らんかった・・・それなりに観てたドラマやけど、おぼろげな記憶しか残ってない・・・ラストがどんな感じの展開やったのか、全然思いだせん。その程度やったんかな?
なので、全く違う作品として読んでみた・・・読後の感想としては哀しい雰囲気が全体を包んでるけどただの暗い話にせず、自分探しに主体を置いたよく出来た人間ドラマでした。
冒頭の静かな滑り出しに始まり、全編のそこかしこに見え隠れする悲壮感に決してハッピーエンドにはならないだろうと想像しながらも、途中から「もう諦めて、宮崎に帰るべきやって克己!」とこの作品のもう1人の主役でもある克己の母親のような立場で何度も止めたくなる。
最初の方では克己の母親の過保護な描写が鼻についてたはずが、いつのまにかその母親と同じような感覚で物語を読んでる自分に驚く。
この辺の計算がこの作者さんの巧い所なんやろうなぁ~。
ただ後半の展開がどうにも不可解・・・奇跡の人と呼ばれるもう一人の相馬克己は常に人を思い誰にでも優しい思慮深い人柄の筈が、自分の欲求に逆らえずにまるでストーカーのような言動を繰り返します。これでは過去の相馬克己と変わらんじゃないかと、、、「母はそんな風に育てた覚えはありません!」と怒りたくなるほどに。
確かに「過去=真実」が決して明るいものではなく、今の克己を飲み込んでしまうぐらいの闇なのを案じて周囲の人間が彼を過去から切り離そうと、色々と策を講じていたのが逆効果になって今の克己を暴走させてしまったのはある程度理解出来ますが、、、
それにしてもなぁ・・・この後半の展開にイライラを募らせる人も多いと思うので、評価は分かれると思うけど、ある意味このイライラは人間本来の見られたくない姿の1つとも捉えられるので余計にイライラするのかも知れません。
そんな「もし、自分が克己の立場やったらどう行動するか、、、」と色んな事を考えさせられる作品でした。-y( ´Д`)。oO○
【 2011/03/25 修正 】
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